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鍛冶跡で鉄滓確認~波平坂之上家「寿庵松」近く

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当ブログで何度か書いていますが、平安時代・道長のころから明治初めの廃刀令まで綿々と薩摩で続いた刀工一類「波平」の嫡男家が鹿児島市坂之上で鍛刀をしていました。東谷山に居を構えていた「本家」(末子相続)のみで「波平」は打たれたと誤解している方も少なくないようですが、慶長以降の「新刀期」に入り、「波平」は本家、坂之上家のほか、「堀」「屋島」の合計4家に分かれ、明治を迎えます。
坂之上家では、江戸中・後期に「安周」「行周」といった名工(藩工)が出ています。
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今日8月13日に、かつて「坂之上家」の屋敷と鍛冶場があったと言われる「寿庵松の碑」(左写真)を訪れたところ、現在は畑となっている土地の道路境で鉄滓(てっさい=かなくそ)を確認しました(上写真)。以前はこの一帯でたくさん出て農作業の邪魔になったとされますが、廃棄されたり埋められたりして、最近は見かけないと言われていました。
鉄滓は、製鉄時砂鉄を溶かす際に出てくる不純物です。一見ただの石のようですが、鉄分を含むためほかの石よりも硬く重いのが特徴です。
薩摩刀に詳しいC氏によると、坂之上には鉄滓が出る場所が5カ所あるとのこと。
なお、上写真の中央の棒状のものが何なのか不明。作刀の過程で使用された道具などであるとおもしろいですね。
※上写真中、右下の丸いものは鉄滓の大きさを示すために置いた100円硬貨
by gayacoffee | 2010-08-13 21:10 | 谷山散策 | Comments(0)

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