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映像を独自入手したら新聞は掲載したか~尖閣②

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沖縄県・尖閣諸島で起こった中国漁船の領海侵犯および海上保安庁巡視船への体当たり攻撃の様子を撮影した海上保安庁が撮影した映像が動画サイト「You Tube」上に“流出”した問題で、朝刊各紙(と言っても当店は南日本と読売2紙しか購読していません)がトップで伝えています(左写真)。政府は流出先の特定を急いでいます。新聞の論評も、①機密情報が漏えいする危機管理体制の薄さ②国民への映像公開をなぜしなかったか③漏えいした、おそらく内部関係者への厳罰-などで政府を批判しているようです。
私は政府がこの映像をどうして中国との外交交渉でうまく使わなかったか、が疑問です。“反日”を掲げてデモが起こる前、いや中国漁船の船長を拘束している段階で、中国政府が日本政府に対し脅しとも受け取れる姿勢を示した段階で、ガツン! とこの映像を日本国民に公開し、中国漁船船長を日本の法律にそって逮捕、起訴した上で、外交交渉に臨めばよかったのでは、といち国民として思います。

さて、新聞紙面の写真説明にあるように、同記事の衝突写真は「You Tube」からの転載です。新聞社もテレビ局も入手できない情報が、漏えいという形で動画サイトに登場、いわば「You Tube」の大スクープと言えなくもありません。電子メディアが旧来の媒体を凌駕(りょうが)した事件なのかもしれません。
かつて内部告発は新聞社、テレビ局へのタレ込みでした。戦前、読売新聞の大スクープ「国家総動員法原案」では、官僚から入手した機密文書を元に、逮捕を覚悟して記者はペンを握ったといわれます。それは、政府など権力ある一部の者が握る情報を国民が知るべき情報として公開するというジャーナリズムの責務からの行動だったでしょう。
もし、日本の新聞社やテレビ局が独自で尖閣問題の映像を入手したとして紙面掲載あるいは放映したでしょうか。機密漏えいと国民の知る権利のはざまで、電子媒体はとてつもないその爆発力を見せつけてくれました。
再びもし、「You Tube」が日本新聞協会に加盟していたら(できないでしょうが)、新聞協会賞として評価されるでしょうか。
インターネットという“国境なき”(一部の独裁国では制限あり)がほんの最近になって登場し瞬く間に広く利用されるようになって、いち個人が国益をも左右する情報を簡単に全世界に公開できるようになりました。意図的に流す場合もあれば、パソコンに取りこんでいた交換ソフトによって流出することもあります。
電子媒体は可能性と大きなリスクを合わせ持ちます。

今回「You Tube」にアップされた動画は、海上保安庁がグーグル側に削除を依頼しているものの最初に投稿された映像はすでに削除され、転載、転載を繰り返し、中には尖閣動画を焼き込んだ200枚以上のCDを駅前で「自由にお取りください」と箱に入れて置くという事件にまで広がっています。
この現象はなんでしょうか。政府が隠していた機密をバラそうという“愉快犯”なのか、それとも国民が知るべき情報を隠す政府への批判なのでしょうか。

尖閣問題の映像はさまざまな矛盾を突いてきます。
by gayacoffee | 2010-11-06 14:45 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

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