中米コーヒー産地で広がる「サビ病」続報~生豆問屋さんから
2013年 03月 05日
要旨は次の通り。
生産諸国から、かなり大きな被害の情報が集まっています。しかし、生豆の価格上昇を期待して過剰に被害の数字をあげてきているのでは、との意見もあり、実際の影響はもう少し様子をみるべきでしょう。
ニューヨーク相場に与える影響としては、ブラジルの豊作予想や販売状況が遅いことなどと打ち消し合い、すぐに極端な相場上昇が予測される状況ではないでしょう。ただ、グアテマラ、ホンジュラスの一般ものではすでに一部で上昇がみられていることや、局地的に被害が大きい地域もあることから産地・農園指定の商品を扱っている場合は状況の確認が必要だと思われます。
◆グアテマラ
コーヒーの流通量は急速に減少してきており、国内の取引価格は非常に高く輸出業者はショートカバーの困難な状況に置かれています。一部では20%以上の減産は避けられないという報道も出てきています。
◆ホンジュラス
生産量は昨年比で40%近く落ち込むという情報も出てきており、国内の取引価格は上昇傾向にあります。サビ病の影響で期先のショートカバーが困難になる可能性が高いため、輸出業者はニュークロップの販売を控え、期近の船積み契約に限ってオファーを出してきている状況。
◆エルサルバドル
農務省によると、サビ病の被害はエルサルバドルの全国的に蔓延しているとのことですが、被害の程度は農園によって様々とのこと。なお、2012年10月~2013年1月までの累計輸出量は前年同期比で4・4%減となりました。
※サビ病 植物伝染病で、糸状菌(カビ)が原因。空気感染する。発症すると葉の裏に赤サビのような斑点が現れ次第に広って葉が枯れ落ちる。最終的には木全体の葉が落ちて木が枯れてしまう。かつてコーヒーの産地だったセイロン(スリランカ)が現在紅茶の産地になった理由は、19世紀にサビ病が全域に広がりコーヒーが全滅したため。