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日本刀観が一転するHP「軍刀」が新アドレスでMac にも対応

2008年9月5日付けの当ブログ・カテゴリ「居合道・日本刀」の記事中でご案内した、ホームページ「旧日本帝国陸海軍 軍刀」がMacにも完全対応すべく、このほど新しいアドレスでスタートしています。
新アドレス=http://ohmura-study.net/101.html

1000年以上の歴史を持つ日本刀。武器でありながら見る者によって恐ろしくもあり、ある者には究極の美しさを感じさせるわが国を代表する工芸品のひとつです。火と水と鉄を使った人類の文明そのものです。
しかし、美術刀剣界で「日本刀とは言えない」とさげすまれる刀があります。それが軍刀です。著名な刀剣本も、太平洋戦争中に軍部の求めで大量の軍刀が造られたが多くが「昭和刀」と呼ばれる粗悪品である、とそれこそ一刀両断に切り捨ててあります。
以前、私は「関」印の刻印が茎(なかご=刀身のうち柄に入れる部分)に打たれた、まさに「昭和刀」を一時所有していました。どういう刀なのか、「関」の刻印の意味、刀工名などを調べるうちにたどり着いたのが同ホームページでした。膨大な資料に驚き、読むごとに著者(管理者)の長年にわたる詳細な調査・研究成果に学ばされました。
戦争の拡大でにより、軍刀が不足し一部には鉄をただ伸ばして刀の姿にしただけという粗悪品も出回ったことはあったようです。しかし、ホームページ「軍刀」を読むことで、私の浅はかな知識に基づく刀剣観がひっくりかえりました。旧軍、特に陸軍の受命刀工の資格を得るには厳しいというか、過酷とも言えるほどの検査を実施、その基準は「よく斬れ曲がらず折れない」という日本刀の理想像を追求したものであり、さらに旧軍では、素材である鋼材の研究、日本刀剣史上最大規模の量産化をも模索していたのです。戦前・戦中期には国家を挙げて、「よく斬れて曲がらず折れない」刀=理想的な軍刀造りの研究がさまざまな鋼材を原料に科学的に行われ、陸海軍それぞれで厳しい基準を設け、合格したもののみを「軍刀」として採用するという厳格化を図っていることはあまり知られていません。特筆すべきは、軍規格の「昭和刀」は当時の製鉄技術の粋を結集し、日本の刀剣史上初めて規格化と良質の軍刀の大量生産化がなされたという点です。材質、鍛練法、強度、姿(刃長・茎長・反りなど)も標準化されたそうです。

不幸な戦争の終結とともに、軍刀(昭和刀)=粗悪品との印象だけが戦後に固定化し、見直されることもなく今日に至っています。
実際には、軍刀の修理に携わった方の記録によると、戦闘で最も優れた刀は地刃がいまひとつ冴えない古刀、そしていわゆる「昭和刀」であり、華美な刃紋に走った新刀はすぐに刃こぼれしたり折れたとのことです。きらびやかばかりを狙った刀は折れやすく刃切れも出やすい、と別の本でも指摘されています。
ホームページ「旧日本帝国陸海軍 軍刀」は膨大な軍刀研究の成果です。日本刀観が一変するページです。ぜひご欄ください。
by gayacoffee | 2013-12-15 13:42 | 居合道・日本刀 | Comments(0)

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