パイプたばこの着火にはマッチがいちばん合うような…
2015年 07月 13日
※右写真=最近、パイプにマッチのセットで持ち歩いている。マッチを入れるケースは缶コーヒーの景品かなにかだったもの。パイプとマッチの間にあるのがタンパーで、喫煙中にパイプの中のたばこを整える道具。アルミ製の安価品ながら、実に使いやすい。木の棒を使うこともある
パイプ喫煙のコツは、「かる~く、やさしく」です。ぷかぷかやると蒸気機関車のように煙が上がって威勢はいいものの、たばこが燃えすぎてパイプを焦がす原因にもなるし、まず味も香りも楽しめるものではありません。舌もやけどします。ポイントは、「クール・スモーキング」といい、強く吹かず吸わずにたばこの火を弱くして、熱が上がらないよう、煙道からの煙ができるだけ低い温度で口に到達するように吸うことです。
「言うは易し」でそっと吸い吹くという風にやっていると、火が消えてしまうことがままあります。消えないくらいでそっと吹き吸う。これがなかなか技術を要するところであり、パイプのおもしろさでしょう。
最近思うのが、着火に最初の壁というか、ハードルというか、コツがあるのではないか、と。
まず、パイプにたばこを詰めます。前に書きましたが、たばこの詰め方がこれまたかなり重要ですが、重複するので、ここでは省きます。
ふんわりとしたたばこをタンパーで少し押さえ、火を着けます。
ここです。ライターもしくはマッチを近づけ、口ばかりか鼻息も荒くぷかぷかやるか。
否ですね。
着火のポイントは、まずさっとあぶるように火を回し表面を炭化させ、二度目の火で点火させるといわれますが、これはマッチを主に使っていたころの手順でしょう。でも、ま、基本だろうということで私は最近までライターを使って、そんなように着火をしていました。
それはそれで特に不満があったわけでもなく、左手にパイプを持ち、右手にはライターという姿で、日々の休憩時のひととき、あるいは仕事を終えてほっとした時間を過ごしていたわけですが、あるとき、ライターの炎の強弱が気になり始めました。
そのときは使い捨てのガスライターを使っていました。火力がたまたまなのか、「+」気味、つまり強火になっていて、パイプのふちを炎がなめてしまいました。その割に、肝心のたばこの着火が思わしくない、と。パイプを焦がすばかりですね、これでは。で、火力を「-」に調整し、弱めにしました。今度は、うまくボウルに炎が入りたばこに当たります。バスケットボールのシュートが決まる感じ。頼りないくらいの弱火が良いようです。
私はジッポライターを使うことが多いのです。屋外で多少の風でも火が消えないし、オイルの補充も簡単。とにかくあの堅固さとデザイン、チンというふたの音、オイルの匂いが好きで、シガレット時代からジッポファンです。
ただ、“バスケットボールのシュート”を見て以降、炎の調整が利かないジッポライターはパイプに不向きではないか、と思うようになりました。
ガスライターも強火ではなく、チョロチョロ程度の炎の出る微調整付きがパイプ向きとみますね。パイプ用に斜めに炎が出るライターも売っています。
で、最もパイプに適しているのはマッチではないでしょうか。
マッチは、燃え上がった瞬間の硫黄臭が強烈で、臭いが移らないよう1拍子置いて、たばこに近づけます。接触させなくても、軽く吸いながら火を近づけると着火しますし、もわもわっとたばこが盛り上がってきます。ここで、前述した基本の手順が生きてくるんですね。
1本目のマッチで無理して着火させず、表面全体を焦がす。そっと、そっと。マッチの炎は実に優しいじゃありませんか。たばこの表面が程よく焦げたら1本目のマッチを消す。タンパーで軽く押さえてたばこ表面を整える。そして2本目のマッチを擦る、というわけです。火着きの良いたばこは1本目で着火します。
あれこれ試行錯誤中ですが、マッチがいちばんパイプには合うような気がしています。
▼たばこをパイプに詰め、タンパー代わりに親指で軽く押すのもよい