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2017年 04月 04日
「雑兵たちの戦場」は私にとっても驚かされる内容の本です。
戦となれば、大将から足軽・雑兵までが戦うものかと思っていました。敵地の侵攻すれば、まず食糧をかすめとり、百姓・町人までさらって人身売買の市がたつのが当たり前のように行われていたようで、その一例が秀吉の「朝鮮出兵」時における朝鮮陶工の連行というか、拉致だったのでしょう。専門職であったがゆえ連れてこられたかと思っていましたが、同書によると何万という朝鮮の人々を日本に連れ去って、奴婢にしたとの記述に驚くと同時に、考えてみれば、世界中でもたびたび、特に中央アジアの遊牧民族はユーラシア大陸の各地に侵攻し、殺戮をするか、命ばかりは助けても奴隷にしたり支配したりしています(このあたりは岡田英弘氏の著作に詳しい)。
侵略したりされたりの繰り返しが長い間続いています。
そして、いまも戦争は終わらない。
いつになればこうした暴力による支配の時代が終わるのか、それとも人間の持つ本質なのか、と暗然となります。
ただし、歴史から学ぶことは大きく、それがいつの日かかたちになってくれるのではないか。そうでなければ、人間はサルにも劣ると言えましょう。