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気になるニュース-JAL機無断離陸滑走は基本忘れ

今日は朝刊各紙も、テレビニュースも、昨日新千歳空港で起こった、日航機502便の無断離陸滑走を大きく報じています。
B滑走路に着陸したばかりの日航機2503便がいたにもかかわらず、管制官の許可を得ないまま同じ滑走路で離陸のための滑走を始め、それに気付いた管制官が離陸中止を指示し滑走していた502便が緊急停止、2503便との距離は1800mにまで近づいていたというもの。当時新千歳空港は大雪で視界が500mと悪天候。管制官は地上監視レーダーで指示を出していました。
報道によると、2503便の着陸直後、管制官が無線で502便に「ただちに離陸できるよう待機せよ」と指示したのを、502便のパイロットは「着陸許可」と思い込んで滑走したようです。同空港では2005年にも日航機が無断で離陸しようとし他の旅客機にあわや衝突、というトラブルが発生し、再発を防止策として、パイロットが管制官の指示を正確に把握しているか互いに確認するため指示の「復唱」を義務づけされていたそうですが、今回、502便のパイロットはその「復唱」を怠ったようだ、というのがこれまで公表された内容です。

多くのトラブルは、こうした人為的ミスが多いようです。交通事故でも多くは、わき見、居眠りなど人間のミスによるものが多いのです。事故が起こらないよう作成したマニュアルを基本通りに実行しないとき、重大なトラブルは発生します。

「いつも基本を忘れるな」。これは以前私が職業としていた「編集記者」の一番の鉄則でもありました。事実関係の確認はもちろん、人の名前や住所・地名、社名など「固有名詞」と、電話番号や人数などの数字は、間違って印刷されると関係者に大きな迷惑をかけてしまいます。取り返しのつかないほどの被害を起こしてしまう場合もあります。

書いた原稿が間違っていないか確認できるのは取材した記者だけ、ということも多いため、記者は記事が印刷機にかけられるまでの間、原稿を書くとき、デスクにチェックしてもらう直前、ゲラが出たとき‥取材ノートや資料、もらった名刺などと記事を何度も照らし合わせ、間違いはないかチェックします。
「あとから確認しよう」と思いながら、忙しさに確認を忘れたときミスが起こります。不思議なものですが、印刷に回って、「あっ、あの原稿をチェックしなかった」と心にひっかかったときに限ってミスは起こるものです。
デスクを担当していたときの私の口癖は、「固有名詞と数字は、もう1回、もう1回見直せよ」でした。自分の数々の失敗から学んだ教訓だったからです。

自分の記事は、書いているときにはその中に間違いはないと思い込みがちです。書く脳と間違い探しの脳は、働きが違うのでしょう。自分の記事からミスを見つけることは、「他人の目」を持たなければできません。それこそ「重箱の隅」をつつくように目をこらします。
ほかの原稿も書かなければならない、そんなあせりの中、限られた時間の中で、脳みそをフル回転させます。そのうち頭蓋骨の裏側から焼けるような匂いがしてくる感覚に襲われることもありました。
そんなときこそ、「いつも基本を忘れるな」という言葉が、自分を冷静にしてくれたのです。
コーヒー店でもこの姿勢は同じく大切だと思っています。

新千歳空港で起こった重大なトラブルのニュースをテレビで見ながら、「基本を忘れるな」という言葉が頭をよぎった一日でした。
by gayacoffee | 2008-02-17 23:49 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

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