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もう終わったかな?「芸人番組」

「最近テレビを見なくなった。見たい番組がないからね」

先日来店されたお客様です。
続けておっしゃいます。
「どのチャンネルも同じような芸人が出てきて、くだらない話をしたりゲームしたりクイズで自分のバカさ加減を披露してみたり。くだらなさすぎるよね。真面目な番組かな、と見ているでしょう。突然芸人が出てくる。そうするとパッとチャンネルを変える。民放全部に芸人が出ているときもあるから、そのときはNHK」

「芸人番組」嫌いは私だけか、と思っていたらそうではないようですね。少なくとも、この方の他に2人知っています。日本国民の中で4人、とはあまりにも少数派ですが…。

例え少数派であっても、わが道をゆく当ブログ。気ままに書かせていただきます。

私は、最近テレビで出ずっぱりの「芸人」にうんざりしています。特に、ガラの悪い関西弁で相手の頭をバチバチ叩きながら内輪話ばかりしている若手芸人がテレビ画面に出てきただけで、前述のお客様同様、チャンネルを変えます。
驚くのは、ほかの局でも同類の芸人が出ていること。またしてもチャンネルを変えます。すると、またまた別の局にも芸人…。NHK総合に変えて興味があればそのまま観ますが、興味を引かない場合は、昭和天皇崩御のときも通常番組を流した気骨あるチャンネル、そう「NHK教育」です。ひと昔前のテンポ、ファッションが、中年オヤジにはとても心地よく、なかなかにマニアックな視点も見られますね。「趣味悠々」などは優れ番組です。
今はやりの芸人はほぼ登場しません。安心して観ることのできるチャンネルです。

なぜ私が、若手芸人の出る番組を嫌うのか。
あの「笑い」が理解できないのです。
まったく面白いと思いません。赤いじゅうたんに乗って「お笑い」をやってみせる番組も1回観たことがありますが、学生時代の飲み会の席の「一瞬芸」並み。とても「公共の電波」で流すほどの「芸」ではありません。
「芸」というからには、お笑いであればこそ、磨かれた感動を私は求めます。
例えば、漫才なら「いとしこいし」「ヤスキヨ」など。「たけし」も「紳助」も若いころ漫才にはハッとするほど光る芸がありました。いまでは司会者ですか?

私にとっての笑いの極めは落語、あるいは「フーテンの寅さん」の渥美清さんです。
偶然のアドリブのように見せて、実はたゆまぬ努力の演技。真面目に自らの滑稽さを演じるからこそわき起こる笑いと、その奥に人間の哀しさ、あわれさがにじみ出る、芸の深さが伝わってきます。
自らを落としめる謙譲の精神こそ、古来、日本人が美徳としていたものではないでしょうか。
今の若手芸人の「瞬間芸」は、「オレが」「オレが」の自己主張のみ強いアメリカ型?

さらにうがった見方をしてみます。
「なぜテレビが若手芸人をスタジオに集め、楽屋話レベルの電波を流し続けるのか」

ひとつには、放送が国の許認可事業だからではないでしょうか。
体制というのは、国家であれ企業であれ、右向け右の従順な国民・社員を育てたいと思っています。
論理的に思考するような国民が増えると、政権与党も安定しません。何より、さまざまな利権を持ち、税金を集めた「予算」を握る省庁の官僚が夜もおちおちと眠れなくなります。社会保険庁の不手際など、本来なら政権が代わってもおかしくない、官僚が総入れ替えになってもおかしくないほどの大問題です。でもおとなしい子羊たちは従順でいてくれるのです。
おとなしい国民であってくれるにはなにが必要か。国民的娯楽です。かつては大相撲であり、力道山に代表されるプロレスであり、プロ野球、そう読売巨人軍のV9でした。それを作り上げる手助けをしたのがマスコミ、なによりもテレビの影響力でした。
現代はお笑い芸人です。お笑いは国家推薦の番組と言えるでしょう。

繰り返し見せられることで、パブロフの犬のように、芸とも言えない芸を面白いと笑う人たちが出てきます。
洗脳ですね。
そうなると、テレビが最も気にする「視聴率」として現れてきます。
これが2点目の理由でしょう。
スポンサーが番組につきます。
「悪貨は良貨を駆逐する」
スポンサーも、広告代理店も、テレビ局のお偉いさんも、「真面目な番組を作っても視聴率が上がらないよ」と言うでしょう。
試しに、若手芸人らが出る番組の提供スポンサーを見てみるといいでしょう。きっと「一流」と呼ばれる大企業が並んでいます。膨大な広告費が広告代理店を通じてテレビ局に流れ込みます。かくして、各局金太郎飴のような番組が並ぶことになります。
不況になれば、テレビ局も企業。「くだらない」だの言っておられません。特に上場した局などは株価に響きます。知人のテレビ関係者が私に言いました。
「テレビにジャーナリズムを求めたらいけないよ。バラエティーだからね」
ジャーナリズムの代表格、新聞も危ない時代です。
団塊世代が退職し、新聞をよく読んでいた人々が高齢化、若者が活字離れして部数を減らしています。
新聞記者は、取材に応じない相手に「話していただけないなら、読者が黙ってはいませんよ」などと言ってきましたが、その読者が減っています。新聞社も企業。そうなると広告費への依存度が高まります。「編集」の力が弱まり、ジャーナリズムの後退が進む危険性が深刻になります。
祈るのは、新聞経営陣の「新聞人」としての気概のみ、となります。

若手芸人を使うもうひとつの理由は経営面からとも想像できます。
コツコツと時間と労力を使って番組を作るより、所属プロダクションと密接な関係を作ってギャラの安い若手と視聴率を取れる大物芸人を上手にスタジオに集めて番組を作った方が、経費はかからないし、広告も集まります。
海外から珍プレーのようなテープを買って、芸人にコメントもらって1本。CMや繰り返しの場面が多いので、60分間の番組は正味40分ぐらいの中身ではないでしょうか。

以上は、私の偏見でしょうね。現代的「笑い」についていけないオヤジのつぶやきでしょう。
いや、国家推薦の番組を批判するとは「国賊」「非国民」と呼ばれるかもしれません。
それなら、「憂国のオヤジ」と呼ばれたいもの?
Commented by パオズ at 2008-10-05 19:54 x
私も全く同感!というわけで、ほとんど見ません。
ゆえに2011年になってテレビが見られなくなるからといってテレビを買い換えさせられるのが、非常に不満です。
Commented by gayacoffee at 2008-10-05 20:13
パオズさん、ありがとうございます。
これで同志が5人に増えました(笑)。
私は地デジ時代になったらテレビは買うのを止めようと思っているのですが、どうも妻子が…ね。携帯は止めて正解でした。
Commented by たんたん at 2009-03-03 16:59 x
私もテレビ嫌いです。マンションにテレビはありません。
携帯のワンセグで、NHKのニュースのみ確認していましたが、ワンセグのない古い携帯に戻しました。
民放は、騒ぎすぎ、低俗、知的水準が低い、芸能人がくだらない、暴力やセックスの描写ばかり、そして恋愛ドラマばかり・・・。
浜田?とやらが、歯をくいしばって必死に人の頭を張るとか、不細工な芸人が女がどうとかしょうもない内輪話とか、素人のカラオケ大会とか、着ぐるみ来て騒ぐとか・・・。
世間の人達も、テレビの話しかしない。アイドルの事なんか分かるかよ、馬鹿め。
見なければ良いではなく、皆がもっとテレビについて考えなければなりません。
Commented by gayacoffee at 2009-03-03 22:19
たんたんさん、ありがとうございます。
時間と労力をかけた、あるいはひねりをきかせた番組もなくはないのですが、少ないですね。
吉本の芸人が出てきた途端、別番組に変えていますがそこにも彼らが出てくるではありませんか。BGMのようにNHK教育にすることもあります。
観たいという番組のために地デジ用のテレビを買う費用対効果があるのか、非常に疑問です。
Commented by 杏奈 at 2009-05-06 16:21 x
なんか自分は賢いって思っている人ですね。ナルシスト系。
Commented by gayacoffee at 2009-05-06 16:58
杏奈さん、ありがとうございます。
「賢い」って、私のことですか? とんでもありません。
また、ナルシスト系というより自虐系ではないか、と思います。
最近の若い人たちの「笑い」がまったく理解できないのです。人の頭をポカポカ殴ったり、関西系の汚い言葉を飛ばしたり、身内話を延々と電波に乗せて60分番組ができていき、それに一流企業がスポンサーにつく…。私には変としか思えません。
by gayacoffee | 2008-10-05 00:06 | ガヤマスのつぶやき | Comments(6)

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