人気ブログランキング | 話題のタグを見る

開票結果を知る前に。西之表市長選

「種子島」と聞いて、頭に浮かぶのがまず、「鉄砲伝来」「ロケット発射場(宇宙センター)」。最近では「サーフィン」や「安納イモ」もありますね。
でも、種子島の中心地=かつて島主・種子島氏の居城があった市町村名を「西之表市」とすぐに答えられる人はそう多くはないかもしれません。沖縄の「西表(いりおもて)」と間違う人もいます。
人口は、最多期の半分ほどの16000人強ぐらいでしょうか。
その西之表市で今日市長選挙がありました。即日開票で、すでにこの時刻には開票結果が出ていると思いますが、まだ私は現職と新人の一騎打ちとなった選挙結果を知りません。
知らないうちに書いておこうと思いました。

現職は地元出身者で病院の元事務長。一方の新人はテレビにも出ていた予備校講師「金ピカ先生」。昨日の時点で聞いた話では「五分五分」とのことでした。
興味、というものとは異なりますが、気になったのが「金ピカ先生」は種子島と縁もゆかりもない方、という点でした。
出馬を新聞で知り、「なぜ?」との単純な疑問がありました。

種子島、西之表にかつて私は7年ほど住んだことがあります。島の小さな新聞社で働いていました。そこで結婚した相手が妻です。長女は種子島で生まれました。
それゆえ、島の話はたまに入ってきます。今回の市長選のことも、です。

西之表市の中心地、赤尾木、または榕城の港からすぐ目の前に潜水艦が海面から姿を現したように見える小島が浮かんでいます。「馬毛島」です。かつてトビウオ漁が盛んだった時代、この島には漁村があり、小中学校もありました。無人島になって久しく、平和相互事件やレーダー基地予定地、はたまた核廃棄物処理施設など、たびたび国家規模のうわさや事件の場になってきました。
ここに米軍の給油基地だかなんだかを作ろうという話が持ち上がっています。島のほとんどを所有する会社などが進めているようですが、現職の市長も市議もなかなか動かず、反対派住民が訴訟を起こすなど紆余曲折。
うわさでは「金ピカ先生」は基地建設を推進する方々が担ぎ、応援しているとか。

推進する方々の言い分は「ほかに西之表の浮揚策はない。このままでは産業は衰退し人口は減るばかり」というもの。
一方の反対派の方々は「軍事基地などとんでもない話だ。馬毛島周辺は漁場としても貴重だ」といったところでしょうか。

そこで「金ピカ先生」の登場、ということらしいのですが、建設業者や農業関係者も同候補の応援をしている、との情報も聞こえてきました。

結局の争点は、西之表市の「貧しさ」でしょう。
一次産業も、「安納イモ」だけでは食べていけません。島を支える産業だった建設業も公共事業が縮小し倒産した会社が多いと聞きます。観光業もかんばしくなく、宇宙産業も打ち上げ期間だけ、しかも南端の南種子町にあるため西之表市にはさほどのメリットもありません。
ひとつ、あるとすれば、以前からなにかとうわさになってきた「馬毛島」の活用です。眠れる“宝島”のように映るのです。

もし、「金ピカ先生」が当選したら、「馬毛島」はともかく、基地建設の後のビジョンはどうなっているのでしょう。農業、漁業はどうするのでしょうか。また、市議会との関係もビミョーとも想像されます。あくまでも行政の予算等は議会の承認が必要ですからね。
ま、私は20年近く前に島を離れた人間。とやかく言う資格はありませんし、住民自身が決めることです。今日の選挙がその市民の意思が反映される場、いや、された場というわけです。

ただ、興味深かったのが昨日来店してくれた妻のいとこのひと言。
「本当に種子島の人は貧乏なんだろうか。出生率でも西之表は全国で14位だったけど。本当に貧乏なら子供は育てられないはず」
種子島には、自分たちの住む島の名をもじってこんな言葉遊びがあります。
「ネタガマシ」
by gayacoffee | 2009-02-01 23:58 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

鹿児島発! 生豆を水洗いする自家焙煎コーヒー店の日記


by gayacoffee