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「手の内」の誤りなど指導を受けました

2月25日のブログ「焙煎日記」でも軽く触れましたが、この日の居合道場で私が先生に指導・注意を受けた点を紹介します。
「手の内」…柄の持ち方が「横手」気味になっている
「横手」とは、柄を横から握ることを言います。日本刀の柄は、竹刀と違い楕円形です。剣道は左手で柄頭を握り、これを基準にするようですが、居合では右手が基準になります。人差し指を軽く伸ばして指先が鍔に触れる所を持ちます。右手は、左手から指1本ほど開けた場所を持ちます。ですから左手の小指は柄頭の金具に触れません。
左右とも手首が柄の「棟」側にまっすぐくるように持ちます。「横手」とは、手首が柄の上に乗っていないことを意味します。
私が先生に注意されたのは、横一文字に抜き付けた際、柄の棟側上に右手首が乗っていない点でした。先生が私の形を検証された結果、いちばん最初の柄に右手を掛けるときにすでに「横手」になっているとご指摘されました。
これは基本中の基本です。刀を抜く際には、赤ちゃんを抱くような心持ちで、とも表現されます。抱えるような気持ちで鞘も柄も持たなければいけませんでした。自宅での練習が我流を生んでいました。最近、素振りをしていて特に右手が疲れ痛くなっていたのは「横手」のせいかもしれません。
ちなみに「握る」のではありません。「持つ」と表現します。

「血振い」の後、片足を大きく後ろへ1歩引く際に刀も一緒に後ろへ移動させている
「血振い」とは、斬った後に刀を振る所作です。斬った相手が起き上がってこないか、「残心」をもって行いますが、「納刀」(刀身を鞘に納めること)に至る過程で、居合腰の高さのまま片足を1歩大きく後ろへ引きます。このとき、私は体の重心移動と並行して刀も後ろへ引いていました。これは間違い。「血振い」時に締めた小指をすっと緩め体を後ろへ引き、切っ先(刀の先)は「血振い」した場所に残します。そうすると、「納刀」時に刀を持った右手首を返すだけで、最短で鞘に刀を持っていけるわけです。

まだまだ「鞘手」の働きが十分でない
「どうやれば70cmもの長さの刀を抜けるのか?」と元同僚Tくんが、私の居合模擬刀を手にして不思議がっていました。
右手だけでは抜けません。抜く瞬間、切っ先3寸(正確には1寸)を鞘の中に残したところ、つまり刀を抜き切る瞬間に、左手を利かせ鞘を左脇腹に沿って左に引き回します。この「鞘手」の働きが十分でないと、威力のある抜き付けができないばかりか、鞘を割ったり刀が抜けなかったりします。
先生から、まだまだ「鞘手」(左手)の働きが十分でない、と注意されました。
「抜き付けは鞘手で行う」と先生。
意味深いのが、右手と左手の左右対称、同じような動きです。
例えば、横一文字に抜き付ける場合、右肘を起点に右手は素直に鞘から抜きます。鞘手は鞘を左側に倒しつつ左脇腹へと引き付けます。刀は前へ鞘は後ろへ、です。切っ先1寸が鞘に残したところで、右手を真横へねじり伏せるように斬っていきます。同時に、左手は鞘を真横にしつつグッと左へ回します。左右が同じタイミングで対照的に動くのです。これにより瞬発力が一気に出て、鋭い抜き付けができるというわけです。
そこに、先生の「抜き付けは鞘手で行う」との真意があるのです。

言うは簡単、行うは難し。しかし居合道は「理合」です。理論と技の一致があってはじめて最小の力で最大の効果が現れるのです。自主トレも意味を考えながら行わなければ、我流に流れるばかりです。
by gayacoffee | 2009-02-27 00:23 | 居合道・日本刀 | Comments(0)

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