不思議な魅力のある、坂之上4丁目の裏道
2009年 05月 31日
私はたばこを2日に1箱ぐらいのペースで吸っていて、一番近いたばこ屋さんまで、自転車で3分ほどかけて買いに行きます。大抵は店とたばこ屋さんの中間にある銀行の用事を済ませるついでに、足を延ばすようにしています。
たばこ屋さんへ向かうときは坂之上福祉館前の乗用車がすれ違えるぐらいの舗装道路を利用しますが、帰りはたばこ屋さんから少しJR指宿枕崎線の方へ下ったところから、小道に入っていきます。
JR坂之上駅前の泊医院までおよそ400mの直線の道。幅1・5mほどで、車も入れませんし、バイクも乗り入れできないよう、途中にUの字を逆さにしたガードが設けられています。
路面はコンクリートで、察するに、この小道の下は下水が流れているのではないか、と思われます。
自動車が入れないため、おのずと家々の裏が向かい合った中を通ることになります。
明るめの玄関ではなく、裏側。どこかひんやりとした雰囲気が漂っているのです。
「なんだろう、この懐かしさは」
通るたびに私は、じわっと湧いてくるような思いを探していました。
ふっと、思い出しました。子供のころ、近所の幼馴染と遊んだ「かくれんぼ」です。
ひんやりとした家の影、草むら、林の中、古い墓石の間…。
そんなものを思い起こさせる「裏」の小道です。
小道沿いには、アジサイやビワ、ツツジ、菜の花などが手が届くほどの場所で季節を知らせてくれます。真夏にはむっとするような草の匂いが立ち込め、冬は寒風が通り過ぎていきます。
ごくたまにすれ違う人もありますが、普段はとても静か。少し前まで聞こえていた犬の鳴き声も、最近耳にしなくなりました。
かつてこの一帯は畑と原っぱが広がっていました。
そのなごりが小道沿いにもところどころで残っています。例えばジャガイモ畑だったりサツマイモ畑だったり、空き地だったり。
その空き地が、いつの間にか草が払われ整地され、1年ほどの間にずらっと家々が立ち並んで、様変わりすることもあります。
小道との間に張られたフェンス越しに真新しい住宅地を眺めながら、前はどんな風景だったかな」と思い出そうとしても、もはや私の灰色の脳細胞には浮かんできません。
ぽつん、ぽつんと残っている畑もいつかは変わってしまうのでしょう。
たばこが切れる明日も、この小道を私は通るでしょう。
●まっすぐに延びた小道。左手のビワの木には実がなっていました
●途中、2本の道路と交差。生垣にアジサイの花が咲いています
●民家の裏を通る小道には不思議な魅力があります
●1年前まで空き地でした。見違えるほどの住宅地に変身
●小道沿いにはまだぽつり、ぽつりと畑も残っています
旅行は移動することを楽しみつつ見聞を広める、というのが私の旅行への考え方。
街を歩いていて、「迷いたくなる」と思うことがあります。
以前出張などで時間があるときは、路地裏・裏道をうろうろしていました。
この坂之上4丁目の小道で迷うことはないのですが、道幅の狭さ、というのもポイントかもしれませんね。
*拙ブログの「2ページ」にしばらくお借りします。