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新型インフル、厚労政務官記者会見に疑問!

奇妙な記事がインターネットのニュース欄にありました。

共同通信によると、厚生労働省の足立信也政務官(民主)は今日の記者会見で、10月11日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数が1機関当たり12・92人と、前週の6・40人から倍増し、流行が急速に拡大していることを明らかにした上で、「念のための受診も多く、重症者への対応が遅れる可能性が出ている」とし、安易な受診を控えるよう注意を呼び掛けた、というのです。

「ハア~?」
短い記事をそのまま鵜呑みにしてはいけませんが、現時点で同政務官がそう発言したとすれば、大バカ者ですね。私はあきれました。「念のための受診を控えろ」というのはおかしい! 
基礎疾患のない幼児や高校生まで死亡している新型インフルで、しかも特効薬もなくワクチンも一般人は相当後回しという現状です。幼い子供など自分の症状をうまく伝えることもできません。病院に連れていかずして、どこへ行けというのでしょう。
私は、いたずらに新型インフルを恐れよ、と言っているわけではありません。死者の数を比較することに、命の軽重を云々するつもりはありませんが、年間3万人以上も亡くなる「自殺・自死」は1日平均82人以上が国内で亡くなっているわけで、今のところ新型インフルを過剰警戒すべきでない、と思っています。

しかし、足立政務官の発言は、体に異変が起こったらすぐに医療機関へ、とさんざんこれまで呼びかけてきた行政の方針と矛盾するではありませんか。しかも医師出身でありながら、「安易な受診」とはどういう意味でしょう。何をもって、だれが「安易」と判断できるのでしょう。
新型インフルかそうでないかなど、専門の検査機器等でなければ分からないはず。むしろ、これまで「念のために受診」して早期に治療できた人が多いはずではないのでしょうか。それとも、新型インフルには別の特性があるのでしょうか。

記者会見でこうした間抜け発言をする政務官の報酬を、現場で治療に当たる人々に充てよ! と言いたくなります。こういう会議や企画だとかばかりやっている“机上の空論バカ”の比率が、政治家・官僚も、一般企業にも増えすぎました。現場を支える人を軽んじた結果、日本の産業を支えた町工場の職人の技術が消えようとしているのです。“机上の空論バカ”の政治家・官僚をバッサリ半分に首を切ると、3兆円の予算削減は達成できるのではないでしょう。民間企業も同様!

追記】=午後7時11分
テーマと、ブログ記事後半の趣旨がずれたため後半部分を削除、前半も加筆・修正しました。

で、ここから【追記】です。
改めて新型インフルエンザ関係で、足立政務官の発言が現実離れしているかをみてみましょう。
産経新聞(電子版)の9月12日付けに「新型インフルに感染した子供の呼吸状態が短時間で急激に悪化する症例が相次いでいる」との記事がありました。今泉記者の取材・執筆です。

同記事によると、「持病のない健康な子供でも、高熱が出てから数時間後に呼吸困難に陥った例もあり、小学生の患者に多くみられる。季節性インフルにはみられない新型特有の症状として、医療機関が警戒を強めている」としています。
実際にあった話をレポートしています(太字は記事要旨)。

8月上旬の朝。小学4年の男児が母親に連れられて東京都の診療所を受診しました。
男児は前日夕方、39・7度の発熱で同クリニックを受診。子供が高熱を出すことはよくあるため院長は解熱剤を処方し、男児は一度、帰宅したが、高熱が治まらないとのこと。
男児は待合室で比較的元気だったが、新型感染が疑われたため、別室で診察を待っていた約30分の間に容体が急変。診療所の院長が別室に入ると、男児の顔は真っ青で、話ができない状態。重度の呼吸困難を起こしていました。隣にいた母親は男児の弟と絵本を読んでおり、変化に気付かなかったそうです。
院長は「30分であそこまで容体が変わった例を季節性インフルで見たことがない」と説明。
男児は総合病院に搬送され回復。院長は「もし、容体急変に気付くのが遅れていたら、最悪の事態を招いていた可能性もあった」と振り返ります。


「もしや」と思ったら、医療機関で検査しないと「最悪の事態を招」くおそれがあるわけですね。

足立政務官は記者会見で、「この1週間受診者が増えすぎて、医療現場が対応できない。医師不足を招いた厚労省の責任だけど、ともかく重症者の対応が遅れる事態もあるので、国民の皆さん、理解と協力をお願いします」と言うべきだったのです。
同政務官は、新政権発足1カ月で早くも厚生労働省官僚の立場を守る側の発言をしてしまっていますね。そして足立政務官の経歴からみて、医療機関・医師側に立った発言をするでしょう。
国民の側に立たない政治家はいらない、とつい先の衆院選で国民が審判を下したばかりなのに、早々と取り込まれているかのように映りますね。よりによって「安易な受診」などと、医師出身とも思えぬ発言。国民をバカにした言い草です。

もしかすると足立政務官の真意を報道が誤って伝えているかもしれません。そのときは改めてブログに書きます。

追記】=午後10時22分
bonn1979さんからのコメントに厚労大臣足立政務官の記者会見の動画がある、とのことでしたので早速観てみました。動画はユーチューブにアップされ、時間にして8分10秒です。
報道は重要な点を省いてセンセーショナルな伝え方をしています。同政務官は「安易」という表現はしていないようです。それが確認できました。
動画=http://www.youtube.com/watch?v=eIbYW3ZkKyM

記者会見は新型インフルエンザの発生状況の説明に続いて、聞き取り調査を行った結果、受診数が増え夜中まで(診察が)かかっており、「念のため」の受診が連休などあったため増えたとし、「皆さんが冷静に判断していただくための申し上げます」と前置き、「『念のため』の受診が増えたことで重症な患者への診療ができない可能性が出てきている」として、「念のため」の受診は「夜間・救急時間帯の受診を避け」たり、「あらかじめ電話をかけたり、電話相談窓口を利用してもらいたい」と呼びかけています。
また、新型インフルに感染した家族が出た場合に、本人が「陰性」である証明する検査を求めているケースもあるが医学的には難しいため、「陰性」証明を出すよう促している企業があれば止めてもらいたい、としています。
さらに、ワクチンは重症化を防ぐ効果は期待できるものの感染防止の効果は証明はされていない、と説明しています。

足立政務官の記者会見のポイントは次の点です。
「念のための簡易受診検査は困難であり、重症患者の治療に支障が出るので避けてもらいたい」
この「念のための受診」に、専門家と私たち医学的知識のない一般人の間で解釈の違いが生じるのです。少なくとも私は誤解しますし、まだ厚労省の真意を計りしれないでいます。

ケース1 ちょっと体がだるいし熱もある、風邪だろうけどもしかすると新型インフルだったら大変だ。念のために診察してもらおう → これはごく普通の感情でしょう。特に自分の幼い子供が発熱したら親としては真夜中であろうが医療機関に飛び込みたくなります。子供は夜になると熱を出しやすいもの。この念のためを控えろというのであれば、到底私は納得できません。異議あり!です。

ケース2 今は健康でなんともないけど、今度の休みに海外旅行に行くので念のために検査してもらっておこう → これは受診しようという側が悪いですね。不届き者です。この場合は他の患者の迷惑になるので受診は控えるべきです。

動画を観ていて、どうも2つの念のためがあいまいと感じました。
私は、あくまでも発熱したり体の不調が出た場合には医療機関に、念のため飛び込むべきだと思います。なにせ自分もしくは家族の命を救えるのは当人らの行動しかないのです。国・厚労省ではありません。

この動画を観て、「電話相談」で新型インフルの可能性を探れる可能性を政務官は述べています。
これもどうでしょう。前述した産経新聞の記事のようなケースでは、医療機関で受診しても新型インフルと分からず、急変した場所がたまたま診療所内であったから子供は助かったようなもの。
この記者会見での厚労省の新型インフル対策の説明では、到底自分の命は守れないと感じました。

私は今回の新型インフルにあたって覚悟していることがあります。
当たり前のことかもしれませんが、自分が新型インフルに感染し亡くなっても国・厚労省の責任だなどとは思わないということ。
人はいつか死にます。それが交通事故かもしれない、がんかもしれない、老衰かもしれない。たまたま新型インフルに感染し耐性がなく亡くなることもあるでしょう。自分の死を、国のせいにはしません。その代わり、国の言うことにも眉に唾付けて聞くようにしています。
Commented by bonn1979 at 2009-10-16 19:17 x
1 公式の記者会見の場での責任ある立場の方の発言なので
この政務官個人の意見ではないでしょう。厚生労働省のHPにもすでにこの8分間の動画がアップされています。事務組織で推敲された原稿も準備されており、大臣の了解もとってあると考えられます。

2 この病気に早期の対応が重要なことは、貴記事に引用されている記者の報ずるところですね。

3 話は飛びますが、今日午前、歯科へ行きました。治療中です。この先生の説明は、詳しく・わかりやすく・論理的で、なによりも患者の意向を踏まえて段取りを進めようとされています。
もっと、はやくお会いしていれば・・と痛感しています。

歯科のポイントは、痛くなる間に、ふだんなんでもないときに軽い歯石を除くなどの手当てをすることだと(いまさらですが)思いました。

4 サンシモン(フランスのいわゆる空想社会主義者)がいった言葉:
「王様よりは大工が偉い」
なぜならば、王が死ぬと、我も我もと後釜に不足はない。
大工が死ぬと、工事中の家をどう建てるのか、直ちに困難な事態が生ずる・・
といった趣旨でした。何十年前に読んだのです。

Commented by gayacoffee at 2009-10-16 19:35
bonn1979さん、適切なアドバイス・コメントありがとうございます。
1と2 この政務官の“単独犯行”じゃないってことは、厚労省の組織ぐるみの思考回路ってことでしょうか。
もっとひどい話? それとも新型インフルで国民にまだ知らしていない重要情報はあって、その前置きだったりして。考えすぎでしょうか。
3 論理的に分かりやすく説明されただけで病気は半分治ったような気分になりますね。自分の体はやはり自分がいちばん知りたいし、治療法も理解しておきたいものです。話はそれますが、私はがん告知に賛成です。
4 正確には王様にも大工にも、政務官にもコーヒー屋のおやじにも社会的影響度は別にしてもそれぞれなにかしらの役割があり、それを身の置き所、とも呼ぶのでしょうか。
by gayacoffee | 2009-10-16 15:04 | ガヤマスのつぶやき | Comments(2)

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