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「ほら、『モマ』が来るぞ」…「モマ」の正体とは

子供のころ、かなり幼いころのある記憶が、急によみがえりました。
親の言うことを聞かなかったり駄々をこねたとき、祖父や両親が決まって夜、こう言うのでした。
「ほら、『モマ』が来るぞ」
しかも、克明には覚えていませんが、夜になると確かに静まり返った外でなにやら鳴き声がしていたのです。すかさず、「ほら、ほら。『モマ』が鳴いている。悪い子のところへやってくるんだぞ」と真面目な顔をして大人が言うものでした。
「モマ」-その言葉は恐怖そのものでした。

50歳になるまで、すっかり記憶の底に沈んでいたのですが、先日店の掃除をしているとき、ふっと頭に浮かんできたのです。
そういえば、「モマ」って一体何だったのだろう。

便利な時代です。パソコンを使ってインターネットで検索するとすぐに出てきました。
「モマ」はムササビのこと。「特定の地域」で呼ばれていた、ということで「むささび・もま事件」という裁判の判例が戦前にあるようです(後述)。

ウィキペディアによると、ムササビは哺乳類の一種で、ムササビ属に属する哺乳類の総称でもあります。漢字では「鼯鼠」「鼺鼠」。ネズミ目(齧歯目)リス科モモンガ亜科に属します。野臥間、野衾(のぶすま)という異名も。長い前足と後足との間に飛膜と呼ばれる膜があって飛膜を広げることでグライダーのように滑空し樹から樹へと飛び移ることができます。滑空距離は160m程度も可能である。頭胴長27~49cm、尾長28~41cm、体重700~1500g、同じくモモンガ亜科に属するモモンガに比べて大柄。
夜行性で、主に樹上で生活し種子や果実などを食べます。大木の樹洞、人家の屋根裏などに巣を作る。メスがなわばりを持ち、オスは特になわばりを持たないで行動するといいます。

なるほど、夜、家の周囲で鳴いていたはずです。
初めて知りましたが、ムササビは日本の固有種で、本州、四国、九州に生息し、日本国外には生息していないそうです。

ただ、鹿児島市坂之上もすっかり住宅地となり、「モマ」が生息できる環境ではなくなったようで、“死語”となってしまいました。

むささび・もま事件】一部の地方で「モマ」と呼ばれている禁猟のムササビを捕獲した被告人が訴えられた事件で、大正14年(1924年)4月25日、大審院は被告人に有罪判決を下しました。判決では、「モマ」は「ムササビ」と同一のものであり、そのことを知らなかったのは「法律の不知」に当たるので罪を犯す意思なしとは言えない、というのが司法の判断です。

同類の事件として、その後に起こった「たぬき・むじな事件」があります。同事件では、先例である「むささび・もま事件」と逆の判断(無罪)となっています。
理由は、ムジナについては“同じ穴のむじな”という慣用句にもあるように、当時はタヌキとムジナが一般には別の動物だと考えられており、被告人が「ムジナを捕まえる意思」であって、「タヌキを捕まえる意思(故意)がない」とされた。
「むささび・もま事件」の場合は、被告人の地方でムササビのことを「モマ」と呼んでおり、すなわち、被告人が「ムササビ」という名称を知らなかっただけであって、全国的には「ムササビ」と「モマ」が別の動物であるとの認識はなかった、というのです。(以上、ウィキペディア参照)
 
by gayacoffee | 2010-03-07 17:28 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

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