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真夜中の振動~JR指宿枕崎線保線列車

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日付が今日に変わってしばらく。店の掃除と次の準備を済ませ、ガスの元栓やドア、窓のかぎなどを確認し、店に点いていた最後のライトを消したとほぼ同時に、なにやらズズズズ、ズズズズ、と低い地響きがするのを感じました。気にはなったものの、早く汗ばんだ体をすっきりさせたい、とシャワーを浴びるため浴室に入り、出てくると地響きが強くなっています。読みかけの本を持って自室に入ったものの、さらに強まる地響きに、「何事かな」と思いつつも、「おそらくは」と予想して店に再び出てみると、やはり入り口側にある窓の向こうのJR指宿枕崎線がライトで照らされているのが見えました。
午前1時40分。最終列車は大分前に通り過ぎた時刻です。線路の保線工事でしょう。
それにしても、いつにない振動です。
一体どんな工事なのだろう、と興味がわき、デジカメを手に店の前に出ました。北の方角、つまり鹿児島中央駅側から黄色の大きな車体、しかも装甲車のような武骨な列車が1歩進んでは止まる、1歩進んでは止まる、そんなテンポで近づいてきます。そして立ち止まるたびにドドドドと地響きを上げているのです。
真夜中のせいか、運転席は通常の列車の屋根ほどの高さに見えました。
これはすごい-カメラを向けてシャッターを押します。踏みしめて歩くようなゆっくりとしたテンポに乱れはありません。
ようやく店の前に来ました。地響きを起こす仕組みを確認したい、と線路沿いのフェンスに張り付いて暗闇に照らされる車体に目をこらしました。
車体側面に2つの窓が見えました。その後ろ側で車のピストンのように、大きなアーム状のものが上下します。アームが上がると車両は一歩前進し停止します。するとアームが下がったかと思うと車体の下から2本の腕のようなものがニョキッと出てきて、強い振動とともに枕木の間の砂利に突き刺さります。まるでカニのハサミが枕木を挟むようなしぐさ。強い振動によってハサミが砂利に食い込んでいくのです。地響きはそのために起こるのでした。
車両の後ろから保線の係りの人が見守りながら歩いてきました。私の前を通るとき目が合い、私と係りの人はどちらからとなく、互いに軽く頭を下げました。
黄色の保線車両は100mほどを数分以上かけ、ゆっくり進み、店の前を通り過ぎました。
撮影も終え、「さて」と店に入ろうとしたとき、ヘルメットをかぶった数人がスコップで砂利をならしながら保全車両のあとを追っていきました。

九州新幹線開業、駅ビルの建設など晴れやかな話題の多いJR。その足元を支える人たちです。
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by gayacoffee | 2010-08-07 19:16 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

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