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「敗戦」の日-先の戦争から65年

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よく晴れた8月15日です(左写真=午前10時半ごろ)。時折強いにわか雨が降ってきます。
バイクでご来店のお客様が、にわか雨が通り過ぎるのを待って、いまお帰りになりました。

以前から、なぜ今日を「敗戦の日」と言わず「終戦の日」なのか不思議なままです。
神国ニッポンの敗戦を認めない勢力、認めると不都合な人々が日本の体制中枢にあったのか、そして依然まだあるのか、そのため「終戦」というあいまいな言葉を使うことにしたのか…。
いずれにせよ、先の戦争の総括をしないまま65年が過ぎた国らしく、都合のよい言葉を選んだものだ、と感心します。
それとも、「負けた」と言うよりも、「終わった」というのが当時の人々の素直な心境だったのでしょうか。

8月15日が、お盆と重なるためか、戦争で亡くなった方々の霊を弔う気持ちがより強くなります。そして、平和を願う日です。
「願う」だけではいけませんね。

戦争は、戦争でもうかる人がいるから起きます。いや正確には起こるように仕向けます。こういう人は、実に“生命力”があり、戦後も日本の政財界の中枢、内部に残って、またも利権を手にして、長寿をまっとうしたようです。
このところNHKが、優れた「終戦の日」特集を放映しています。
私は真夜中の再放送を観ていますが、「戦場からの手紙」につづられた前線の兵士、あるいは特攻隊員らの、親や妻、子供を思いやる手紙に心打たれながらもやりきれなくもなり、なぜ「玉砕」は始まったのかを掘り起こす特集では、大本営のエリート参謀らが保身=責任回避のために、最前線を捨て石にし、それをごまかすために神の国ニッポンという精神主義を利用し「玉砕」という言葉を便利に使ったことが分かりました。
「玉砕」で生き残った方々が「なぜあのとき自分だけ死ねなかったのか」と60数年もの間、家族にも語らずにきた気持ちを、カメラを前につぶやくように語られました。重い十字架を背負ってこられたのでしょう。
本来、戦さとは戦死傷者・物資の消耗が少ない方が勝ちです。なかでも人の命。
武士道でいう「武士道とは死ぬこととみつけたり」は、死ぬ心になって初めて「生」を得ることであり、死に急ぐことではありません。江戸時代も生きて忠義を尽くすことを勧めています。ゆえに「殉死」が江戸初期に禁じられたのです。
「玉砕」せず、「生きていて良かった」が本来の姿であるはず。
以前、特攻隊員として出撃された方に話をうかがったことがあります。沖縄へ行く途中、敵機の攻撃を受け不時着し、次の出撃を待っている間に8月15日を迎えたそうです。
「特攻などという人を人とも思わない方法を考え付いた人間はバカだ」「特攻は戦術じゃない、犬死にだ」と涙を浮かべて語ってくださいました。

「特攻」にしろ「玉砕」にしろ、人をいち兵器=物質のごとくに扱った旧軍のエリート参謀らの思考とは一体何なのでしょう。「自分らは間違っていない」「間違ったことにしてはいけない」ということのみに明晰なる頭脳を使い、結果、国を滅ぼした人々がいたのです。
現代でも出世欲にかられた企業人、組織人に似たタイプがいそうです。

私たち一人ひとりは非力ながらも、戦争が起こしてもうかろうとする人がのさばらないようチェックしておかないといけません。そのひとつが過去を忘れないこと、伝えることです。

ただ、一連のNHKの力作で、少々寝不足の日が続いています。

思わず「ガヤマスのつぶやき」のような文章になってしまいました。

お盆ながら、コーヒー豆ご購入のお客様がぽつぽつとご来店くださっています。
ありがとうございます。
今日まで午後6時閉店といたします。どうぞよろしくお願いいたします。

追記】=午後5時33分
夕方になって空が晴れ上がってきました。
2日ほど前、今年初めてツクツクボウシの鳴き声を聞きました。お盆が過ぎると夏も後半です。
この夏もどこへ行くでもなく、何をするでもなく、コツコツと日々を送っています。
あれしたい、これを見たいという欲求が失せているのが大きな理由でしょう。最近流行のパワースポットなるものも自分には必要ないし、行列の後ろについてまで食べたいものもありません。用事でもなければ東京に行く気もしません。
不満が溜まることがない一方で、欲求のない生活はさびしいのかもと思います。「老い」かな? とも。でも、無理に出掛ける気もしないので、なりゆきに任せます。

体調の悪いわが家の老犬「ペル」は、今日も居間に続く小さな玄関で寝ています。
肝臓に大きい腫瘍があって手の施しようがない、とのことで、動物病院から連れて戻ってきて1週間です。水だけで生きています。少しずつ痩せていく姿を見て、早く楽になってもらいたくもあり、生きていてくれるだけでいいとも思ったりします。
娘も妻も、家に戻ったらまず、「ペル、元気?」と声をかけています。
by gayacoffee | 2010-08-15 14:30 | 焙煎人日記 | Comments(0)

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by gayacoffee