人気ブログランキング | 話題のタグを見る

原発20km~30kmは屋内退避。東電の重大ミス

原発20km~30kmは屋内退避。東電の重大ミス_e0130185_11513432.jpg

今朝も新聞は福島第一原子力発電所の震災後の事故を大きく報じる一方、東北地方太平洋沖地震による被害の拡大を伝えています(上写真)。連絡がつかない人が1万人以上いる市町村もあるとのこと。テレビの映像を見ていて、がれきとなった家屋などの下に息のある方がおられるのでは、と思うと胸が痛みます。

福島第一原発の事故は深刻さを増しているようです。

菅総理大臣はきょう午前、福島第一原発の現状について国民向けに談話を発表した、とニュースが伝えています。
これまで福島第一原発から20km以内の地域の人については避難指示が出ていましたが、菅総理は「今後さらなる放射性物質の漏えいの危険が高まっております。20km以上・30km以内の範囲の皆さんには、外出をしないで、自宅や事務所など屋内に待機するようにしていただきたい」と述べました。菅総理は「何とかこれ以上の漏洩の拡大を防ぐことができるよう全力で取り組む」と述べ、国民に冷静な行動を呼びかけている、とのことです。

その福島第一原発ですが、きょう午前6時過ぎに2号機で爆発音があった、とインターネットのニュース欄が伝えています。原子力安全保安院によると爆発によって原子炉をおおう格納容器の一部が破損された可能性があるとのこと。
「圧力抑制室」という内部の圧力を抑制するための設備の気圧が急激に低下しました。「圧力抑制室」は原子炉をおおう格納器につながるもので、破損した場合、周囲に放射性物質が漏れる恐れがあり、爆発音の後、周辺の放射線の量が急激に上がり、午前8時31分には、第一原発の正門付近で毎時8217マイクロシーベルトの放射線量を観測、数分後には2400マイクロシーベルトに下がったということです。8217マイクロシーベルトという数値は、自然界で人間が1年間に浴びる放射線量の3倍以上に当たるとのこと。
原子力保安院は「高い数値ではあるが、ただちに健康に影響がある数字ではない」としています。
TBSのホームページによると、「圧力抑制室で何らかの異常が発生した可能性がある。作業に直接関係のない協力企業の作業員、および当社の社員は、一時的に発電所から安全な場所へ移動を開始している」(福島東電の会見)。東電は、原発の復旧作業にあたる関係者以外の従業員を発電所の敷地内から移動させているとのこと。
燃料棒がすべて露出し“空だき”状態となった2号機では海水の注入作業は続いており、水位は半分程度まで回復ということ。
また、東電によると午前9時半ごろ、福島第一原発4号機で火災が確認されたということです。福島県など地元自治体や消防などに連絡、現在消火活動を行っているそうです。人的被害など不明。4号機は早朝の2号機爆発の際に屋根が損傷していた、といいます。
朝日新聞(電子版)によると、福島第一原発2号機と3号機の間で毎時30ミリシーベルト、3号機付近で毎時400ミリシーベルト、4号機で毎時100ミリシーベルトの放射線を測定しているとのこと。枝野官房長官は「4号機の(火災の)影響が大きいとみられる」とし、さらに「身体に影響を及ぼす可能性があることは間違いない」と述べた、と同紙は伝えています。

それにしても、東京電力の説明不足、経営陣の無責任さは度が過ぎています。

以前も事故隠しで問題のあった企業だけに今回も懸念されましたが、広報担当がうろうろ・おろおろして迅速・正確な現況説明がなされていないようです。
1号機の爆発時もテレビ映像で流れてから総理官邸に東電から報告があったのは事故後1時間経ってからだった、とか。
“大企業病”にしてもひどい!
事故現場は事態の収拾に追われているでしょう。人員削減で手薄だったとの情報もある現場作業員はそれこそ命がけで対処しておられるでしょう。そのことを指摘しているわけではありません。
問題は、事故発生から数日過ぎようとしているにも関わらず、大きな判断を下せる管理者が、事故現場から離れた東京の本社ビルに“引きこもって”いることです。かの連合艦隊司令長官・東郷平八郎がバルチック艦隊との交戦中に、旗艦・戦艦三笠の艦橋の外にずっと立っていたこと(いたずらに美化するつもりはありませんが)を思うと、真逆の経営陣。東郷が外に立っていたからといって戦さに勝つわけではないでしょう。しかし、大将たるものの姿勢・あるべき姿を彼は見せたのです。
なぜ東電経営陣は現場に飛ばないのか!(現場に行ったとの情報がないので) 会長、社長、それに6人も副社長がいて、どういうことでしょう。
せめて記者会見にその都度出て、自らの口で状況説明をすべきです。
放射能汚染の危険のある現場に立ち、陣頭指揮をとってこそ、原子力で発電する企業の経営者と言えるでしょう。

また、現場の判断だけで例えば海水注入などを行えるのか…、廃炉を前提とした極めて重大な処置となれば、東電本社に判断を仰ぐのではなかろうか…などといろいろ想像するに、現場からリアルタイムに本社へ現況報告と判断を仰ぐ連絡が入っているのが普通の会社組織です。
東電本社のどこかで、だれかが情報を止めたりここまで出せなどと“操作”していると疑わざるをえなくなります。ここまで情報が不足すると、原子炉に廃炉にしたくないため判断を延ばし延ばしして、結果非常事態に陥ったのでは、と勘繰りたくもなります。
放射能というひとつ間違うと大惨事を起こすものを扱う企業として、あまりにも無責任。

福島第一原発の地震・津波の被災は不幸としても、その後の放射能漏れ、情報錯乱、計画停電による首都圏の大混乱は、東電経営陣が招いた「人災」、と現時点の少ない情報で私は指摘します。彼ら東電経営陣は事態収拾後、原子力関連のなんらか法にてらし起訴されるほどの重大な判断ミスを犯し続けています。
by gayacoffee | 2011-03-15 13:18 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

鹿児島発! 生豆を水洗いする自家焙煎コーヒー店の日記


by gayacoffee