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2年前のカレンダーで思い出した出来事

月が変わって、カレンダーをめくりました。
10月-。過ぎた月の枚数の方が多くなり、今年の残る月を数えるとあと3枚です。
なにをしたわけでもなく、月だけが変わっていきます。早くも気持ちが半分、暮れに飛んでしまいます。

焙煎機の横の壁には、5年前からの同型のカレンダーが並べて下げてあります。
今朝、焙煎しながら、何気なく一昨年の10月を見ていると、ひとつのメモに目が止まりました。
「〇日 名古屋へ」
名古屋へ行ったのは私ではありません。長女でした。
就職活動で娘が名古屋の会社へ面接に行ったときのメモでした。
ちょっとした思い出があります。
面接を受けて戻ってくる途中、娘が泣きながら携帯電話で連絡をしてきたのです。あのときの記憶が鮮明によみがえってきました。

卒業時に就職先が見つからず、紹介で入社した会社を半年弱で辞めての就職活動でした。
短大時代の友人宅に泊めてもらい、名古屋市で面接を受けて鹿児島に戻る途中の名古屋空港から、泣きながら電話があったのです。なにごとか、と私は驚きました。
じっくり話を聞くと、面接した会社の社長から娘の携帯電話に連絡が入って、「いますぐに入社する意志があるか返事しなさい」と言われたそうです。「いま即答できません。鹿児島に戻ってから返事します」と答えたところ、「そういうあいまいな態度で面接を受けてもらっては困る」と厳しく注意されたとのこと。実は数日後に鹿児島で別の会社の面接も予定していました。名古屋空港のロビーに着いて思いがけなくかかってきた携帯電話でのやりとりに、娘は混乱し私に電話をしてきたのでした。
娘は面接時に、「鹿児島で別の会社の面接もあり、その後に返事させてください」と言い、了解を得ていたそうです。
「それなのに…」と電話の声が震えていました。
なんとまあ、名古屋の空港で、と不憫になりました。
20歳を超えた娘の、小学生だったころの姿が私の頭に浮かびました。
私は例のごとく言い放ちました。
「そんなクソみたいな会社はやめろ。とんでもないワンマン社長だ。入社前に正体が分かって良かったじゃないか。バカ社長のために泣くのは無駄だよ」

鹿児島に戻った娘は意外にさっぱりした表情をしていました。そして、私が「クソ会社」「バカ社長」と罵った経営者に、入社を辞退する理由を添えた手紙を書いて送ったようです。ほどなく、その社長から娘あてに返信がありました。
「私も言いすぎました」と書かれていたそうです。

あれから2年です。
娘の就職活動はその年を越して続き、自分で何度もハローワークに通って、いまの勤め先を見付けました。
Commented by チッチ at 2011-10-03 18:57 x
娘さんとマスターのやりとりに、
ホロリときました。
娘さんが一番欲しかったであろう一言をスパッと言い放してくれるお父さん…。カッコイイです。
そして私も、背中をドンと押してもらった気がします。
う〜む、頑張ろう!
Commented by gayacoffee at 2011-10-03 19:26
チッチさん、ありがとうございます。
理不尽なことがあると、ついカッとしてしまう短気ものの父親の話でした。
お仕事、頑張ってくださいね。
by gayacoffee | 2011-10-01 16:36 | ガヤマスのつぶやき | Comments(2)

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