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伊佐智佐神社、御神幸の地跡~産業道路沿い

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鹿児島市の南部を縦に走る産業道路沿い、ミスタードーナツの裏にある駐車場の一角に、高さ1m強の石碑が建っています(右写真)。
石碑には「御神幸之地 伊佐智佐神社」と刻まれています。
伊佐智佐神社の神事「浜下り」で御輿を海で清めたご神幸の地です。
「浜下り」は郡元の一宮神社、荒田八幡と並び鹿児島の三大浜下りとされます。秋の例祭、豊祭(ほぜ)に行われ、武者行列、矛持ち、傘持ちなどを従えて旧谷山市街を歩きました。

ここは埋め立てられるまで海岸際で久津輪崎と呼ばれる岬が突き出した岩場でした。
隣接して鹿児島市立和田中学校がかつてあり、坂之上の台地から岬へと延びる土手のような下には高さ2mほどの岩場をくり貫いた短いトンネルがあって、中学校の校庭側からその小さなトンネルを抜けるとパッと長い長い砂浜が目の前に広がっていました。美しい、それは美しい景色でした。
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産業道路は、かつて海岸線だった場所をほぼ通っています。
長く延びる砂浜、その先に見える小島…。それが30数年前までの景色でした。
工業化の波が鹿児島にも訪れ、昭和40年代から鹿児島市の海岸線が次々に北の方から埋め立てられました。最後に残ったのが、谷山の1号用地と呼ばれる埋め立てでした。
現在鹿児島県交通安全センター近くの産業道路交差点付近から平川動物公園近くの海が埋め立てられたのは昭和47年からで、その1号用地は同51年に埋め立てが完了しています。
長い砂浜、小さな漁村、信仰の対象にもなっていた名勝地、七ツ島も埋め立てで消え、「父島」だけが埋め立て地の一角に造られた公園で“保存”され、わずかに往時をしのばせています。

追記】=6日午後7時31分
当ブログでかつて掲載した関連記事は次の通りです。
●伊佐智佐神社 2009年1月11日付け、カテゴリ「谷山散策」
●七ツ島「父島」跡 2010年2月21日付け、カテゴリ「谷山散策」
by gayacoffee | 2011-12-05 13:35 | 谷山散策 | Comments(0)

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