原発・エネルギーが争点になるか? 知事選告示
2012年 06月 21日
任期満了に伴う鹿児島県知事選挙がきょう告示され、午後5時までに立候補の届け出を行ったのは現職で3期目を目指す伊藤祐一郎さん(64)と新人で出版社経営の向原祥隆さん(55)の2人です。今回の鹿児島県知事選挙は原発政策が大きな争点のひとつとされます。伊藤知事は「脱原発を将来的には目指す」としつつも国の政策をみながら川内原発の再稼働を容認する立場に対し、向原さんの出馬自体が「反原発」「原発ゼロ」を有権者に問うかたちだからです。各候補とも選挙公約をすでに公表しています。
投票は7月8日で、即日開票されます。
NHK鹿児島ホームページはニュース欄で次の通り伝えています。
伊藤候補は、「この8年間で県政を順調に運営し財政再建を行ってきた。新幹線の全線開業もあり鹿児島は元気な都市となっている。アジアなどから観光客に来てもらうと、地域経済は活性化する。住んで良かったというやさしい社会が地方行政が進むべき道だ」と訴えました。
向原候補は、「原発がなくなれば自然エネルギーをもとにした新しい産業がうまれる。今回の選挙は原発を止めるという県民の意思表示ができる最大のチャンスだ。日本中の原発を止める第一歩となる選挙だ。新しい歴史をみなさんと一緒に作っていきましょう」と訴えました。
原発立地県の知事選で原発・エネルギー政策が争点のひとつとなる選挙戦です。現職は、県行政のトップは原発を含めたエネルギー政策だけでなく幅広い分野に渡ることを有権者に訴えていくでしょう。果たしてこれが現職の強みになるか。また、流れ次第では原発の県民投票となる可能性もあり、全国の原発政策に影響を与えることが予想されます。
これからの17日間、選挙の争点をどうもっていくか、両陣営の動き、マスコミ論調に注視したいところです。なにより有権者が、先行き不透明・不安定な時代に、どちらを県政のトップとして選ぶか、です。
ちなみに、立候補者ふたりともラサール高校出身とか。
【訂正】=22日午後7時34分
上記記事中、「立候補者ふたりともラサール高校出身」とありましたが、ラサール高校出身は伊藤さんで、向原さんは鶴丸高校出身でした。お詫びして訂正します。
【追記】=22日午後7時49分
県知事選の立候補者のポスターを貼った掲示板の写真をアップしました。告示日が大雨で撮影できなかったため、1日遅れとなりました(撮影地・JR坂之上駅横)
県知事選の向原氏の動向は、地元以上に全国から注目されると思います。
福島では、今後20年近くも故郷に戻れない人がいて、これを「避難」と呼べるのか、国と原子力ムラによる「強制移住」ではないかと思いつつ、一旦事故が起こると人間がコントロールできないものを発電エネルギーに使うのは大変に危ういわけで、私も将来に向けて脱原発へ舵を切るべきと考えます。
原子力を使わないようにしようという方針を決めれば、必ずや必死になって新エネルギーを研究・開発、コストダウン化を図るはずです。むしろ、いま原発があるから、新エネルギーの開発をしない、あるいは邪魔するグループが出てくるのかもしれません。
エネルギー政策の方向を明確にしないまま、ずるずると原発再稼働を行うのがいちばんよくありません。そのいちばんよくない手をヤツらは狙っています。
いま向原さんのプロフィルを確認しました。鶴丸ですね。
早速、【訂正】を入れます。
一体、私たちが原発とどう向き合うかが問われる注目すべき選挙です。伊藤さんも「脱原発」と言っていますけど。
伊藤さんは、やはり官僚なんでしょうね。長く中央官僚をされていただけに、思考回路が官僚。「10年後」などと言われても、じゃあ伊藤さん、10年後にも責任もって知事をやってくれればいいですが、そうじゃなきゃ、言うべき言葉ではありません。あちこちから飛んでくる批判をそつなくかわす官僚用語ですね。
私は、錦江湾の下にトンネルを掘るという馬と鹿を絵に描いた話の時点で、「脱伊藤」です。ただし向原さんと面識がないので、困った県知事選です。
ギリシャのやり直し総選挙みたいに両者の得票率が数ポイントの僅差であれば、世界中の原発行政も変化するでしょうけどね。
昨今の政官界は、幕末期の江戸の官僚武士がこうだったのではと想像します。世間の動きと関係かく自分の保身を第一とし、黒船がきてもおろおろするばかりで、手を打たず先送り。
日経はたまにしか読まないのですが、幕末が舞台のようですね。