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ドサッと座る現代人~「肥えたんご侍」に学べ

月1回通院している心療内科クリニックへは、クリニックが鹿児島中央駅近くにあるため、いつもJR指宿線を使います。

午後5時18分の鹿児島中央駅行き「NANOHANA(菜の花)」号に乗るとちょうど高校生、大学生らの帰宅時刻と重なって座席は埋まってしまいました。私は最初からドア近くに立とうと思い、少し空いていた席に座ろうとしていた学生がたまたま目に入りました。
20歳ぐらいで背の高い男子学生です。腰を下ろそうと席の前に立ちすーっとしゃがみ込もうとすると途中から、まるで体を吊っていた糸が切れたように「ドサッ」と音をたててシートに座りました。背中と腰を丸めて据わっているので、長い足を向かい合わせのお客の足の間に差し込んでいました。おもむろに携帯電話でメール。

クリニックの診察が終わったのが午後7時半。
アミュプラザ(鹿児島中央駅ビル)の観覧車と、アミュ屋外にあるイベント広場の写真を撮影。坂之上のはあんなに電力を消費するイルミネーションらがないため、珍しくて撮ってしまいました。

ま、これはさておき、坂之上方面行きの列車が午後7時40分すぎの発車、とのことで急いで改札を抜け、2番ホームへ。「通勤列車」型の、ボックス式でない列車で、すでにサラリーマン、OL、高校生らがずらっと長いシートに腰かけています。
帰りに本でも読もうか、と思っていたのですが、席が空くまで立っていようと、車内を見渡していると、ところどころ、無理すれば1人座れるぐらいのスペースに、腰を下ろそうとする若い女性がいました。両隣が少しずつ詰めてくれ、女性はちょっと頭を下げて、しゃがみ込もうとすると、またしても途中から「ドサッ」と腰砕けしたように座り込みます。
本人はさほども気にしていないようす。でも、私は気になりました。
気になると、結構多くの方が、ソファーに「ドサッ」と音をたてて座りますね。
足腰に筋肉がつくと腰掛けはじめから座り込むまで同じ調子で静かにゆっくりとできます。

なぜ私が他人の座り方が気になるのか…、かく言う私が同じように、腰を下ろしていくうちに、ある時点から体を支えられなくなって、そのままシートにドサッと座り込む、というか倒れ込んでいたからです。1年半ほど前あたりが最もひどかったですね。うつの兆候が少しずつ現れ出したころでしょうか。
「このままではいけない」と痛感したのが、鹿児島中央駅東口の階段を下りる際、後ろ足から前足に重心をスムーズに移行できず、いきなり前足に全体重が乗り、何度も前に転げ落ちそうになり始めたためです。

極度の運動不足でした。腕も足も筋肉なし。おなか周りはどんどん膨らんでいっていました。自分の体を足腰が支えられなくなってき始めていたのでしょう。

たまたま書店で目にした「居合道」の本に、その筋肉の重要さと、強化・維持できる運動が紹介されていました。階段の乗り降りなどで使う足腰の筋肉は、年齢とともに特に衰えやすいそうです。年をとると太ももの裏のあたりが妙に細くなる人がいらっしゃいます。

それから1年と2カ月、このブログのカテゴリ「ダイエットに成功」でたびたび紹介している「屈伸」を毎日欠かさず続け、少しずつ筋肉が戻り、その副産物としてピーク時比15kg痩せた、というわけです。

以上は、私の自慢話ではありません。
警告でもあります。老若男女、日本人の足腰衰弱は想像以上です。

鹿児島には古くから「山坂達者」と呼ばれる足腰の鍛錬行事が日常ありました。飛躍して言えば、倒幕を成し遂げた薩摩の古武道「薬丸自顕流」は比較的下級武士が鍛練した流派。そして下級武士なかでも在郷の下級郷士は普段は農業で家計を支えていたほど困窮していました。
「いも侍」はまだ良い方で、「肥えたんご侍」(当時の肥料・人糞入れを前後に背負う侍との蔑称。鹿児島には、武士とは名ばかりの非常に貧乏な下級侍が県内の農村に多数暮らしていた)と呼ばれていました。
しかし、これが良かったのです。農作業で足腰がとても強く、剣を持たせれば全国一の「軍団」となりえたわけです。

ともあれ、「腰」という字は体の「要」です。
毎日30回の屈伸から健康を取り戻しませんか。
by gayacoffee | 2008-10-20 20:29 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

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