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「今朝の三枚おろし」でむのたけじさん詩集紹介

平日の午前8時半ごろに地元民放のMBCラジオで放送される「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」を聴きながら起き上がります。

「今朝の三枚おろし」では、今週、「むのたけじ」さんの詩集から、武田さんが心に残る句、言葉を紹介しています。
むのさんは、東北・横手市で長らく「たいまつ」という小さな小さな新聞を発行してこられたジャーナリストです。戦争報道で「大本営発表」を流し続け国民を欺いた新聞の責任を感じ、いち記者であったむのさんは戦後まもなく朝日新聞を辞め、故郷に戻ります。そして創刊したのが「たいまつ」でした。

20数年前、私が勤めていた小さな小さな地域新聞の代表者がむのさんに、手紙を出しました。日本の片隅の小さなまちで新聞を発行する意味と経営面の苦悩から、「大先輩」であるむのさんに相談、というより心の支えを求めたのかもしれません。
しばらくして、むのさんから便せんに太めの万年筆でつづられた手紙が届きました。
代表は私にも見せてくれました。正確には覚えていませんが、「(地域紙は)泥にまみれなければ書けない。しかし、泥にまみれすぎると新聞ではなくなる」といった意味の言葉が、長い便せんの中にありました。
「泥にまみれる」―そこに住む人と同じ思いを持たなければ、地元の課題は見えてきません。日本の矛盾は田舎の小さなまちに凝縮します。しかし、「泥にまみれる」―地域に埋没しお金に追えあれ、地元の権力者の手先となれば「新聞」ではなくなる、とのアドバイスだったのでしょうか。
20数年前、むのさんが送ってくださった新聞「たいまつ」は、タブロイド判、表裏のペラという小さなものでしたが、ぎっしりと活字で埋め尽くされた紙面にはむのさんの熱い思いがほとばしっていました。

私のいた小さな小さな新聞も今はもうありません。

10年ほど前、古本屋で「むのたけじ詩集」の何巻目かを見つけ買いました。新書版です。
今日、定休日の午前中にごちゃごちゃの本棚を探したのですが、見当たりませんでした。
どこかへ仕舞い込んでいるのでしょう。
by gayacoffee | 2008-10-29 12:39 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

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