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前空幕長更迭問題2 「自衛官のあるべき姿」

昨夜ブログで書いた前航空幕僚長・田母神俊雄氏の懸賞論文を巡る更迭(のちに定年退職)問題は、このままうやむや、または政治の駆け引きに利用されて終わるようでは、自衛隊内部の一部にわだかまりを残す結果となりそうです。

今朝の新聞は、ホテル・マンション経営グループのアパグループが主催した懸賞論文には航空自衛隊から田母神氏以外に78人の自衛官が応募していた、と報じています。さらに、航空幕僚監部教育課が全国の部隊に応募要領を紹介していたとも。

日中戦争、太平洋戦争についての史観は、国民の間でも大きく分かれ、互いに歩み寄りできないほどの亀裂があります。憲法が保障するように、思想・信条は個人的には自由でしょう。
しかし、問題は、現職の自衛官、しかも最高幹部が政府見解に相違する意見を公式に発表した行為です。現職自衛官としての職務を逸脱する行為であったのなら、「自衛官としてあるべき姿」を明確化しなければいけません。

昨夜も書きましたが、政府は、私を含め法的に無知な国民へ、今回の田母神氏への行為がどの点で問題があり、処分の対象となったのか理由を説明する義務があります。特に自衛隊員へ明確に示す必要があります。
田母神氏がひとり責任を負ったかたちで辞めさせられる姿は、立場や考え方によって田母神氏を「英雄視」しかねません。現にインターネット上では田母神氏を擁護、政府・防衛大臣の対処を批判する意見が交わされています。戦後教育を、「自虐史観に基づく」と批判する人々は、他省庁にもいると聞いたことがあります。
最も危険なのが、自衛隊内部にフラストレーションがたまることです。
政府は、主権者である国民にかわり、自衛官とはいかにあるべきか、法律論も合わせ明確にすることで、自衛官内部にくすぶっているかもしれない不満を解消させ、「正義」を示さなければいけません。
処分された人が「正義」と解釈されるようなことがあってはなりません。

近代国軍は「文民統制」が基本です。
戦前の日本の軍隊は天皇が統帥しておられ、システム上、行政府からも立法府からも独立していました。
自衛隊(軍隊ではないですが)は内閣総理大臣の指揮下にあり、文民統制にあります。
今回、その機能をはっきりと示す必要が、麻生首相にはあります。

浜田防衛大臣は今日、自衛官の発言に「一定の制約」を設けるとの発表をしています。
そういうレベルの話ではないと感じます。
by gayacoffee | 2008-11-07 16:24 | ガヤマスのつぶやき | Comments(0)

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