気になる記事~西郷銅像のモデル
2008年 12月 30日
東京・上野の西郷銅像と異なり、地元鹿児島の西郷像は、明治初めに西郷隆盛が実際に着用した陸軍大将の軍服姿です。銅像は1937年建立、安藤照さん作。
西郷さんは写真を残しておらず、有名な肖像画の後の作品です。上野の銅像の除幕式で、未亡人が「似ていない」とこぼしたのは有名な話です。
記事によると、鹿児島市の銅像のモデルは、山形県の元県議・石澤宏太郎さん(故人)。西郷像のイメージ作りに苦労していた安藤さんが、親類の依頼に付き添ってアトリエを訪ねてきた石澤さんに、モデルを切望したとのこと。西郷さんの遺族らも面会し、「本人そっくり」といわれたそう。安藤さんは、特に石澤さんの顔と後頭部を気に入ったようです。
西郷さんの身長は約177cm、これに対し石澤さんは約175cm。さらしを巻いて軍服を着た、と記事は伝えます。
南日本新聞記事の文末にもある通り、鹿児島(薩摩)と山形(庄内)の縁も重なる不思議さ。
「官軍」が佐幕派の多かった東北各藩を攻めた際、降伏した庄内藩主に対し勝者側の西郷さんが下手に移り、礼を尽くした逸話は有名です。西郷さんの人柄に感銘を受けた庄内の士族の一部は明治10年の西南戦争(十年の役)で薩摩軍に参加、戦死者を出しています。
暗いニュースの多い中、薩摩アイデンティティーをくすぐる地元紙らしい1面記事です。